記憶の濃度


連日、雨が続いておりますが、やっと雨が止んだので、家族と「江戸東京たてもの園」に出掛けてきました。

家族サービスがメインですが、何せ「江戸東京たてもの園」と名が付いているだけあり園内には職業上、気にならずにはいられないスポットが多くあります。何割かは建築巡りの要素があることは、妻も承知のことでしょう。マニアックな場所でごめんよ。息子たち。

建築巡りをするということは何かを吸収しようと考えているわけですが、その全てを吸収しようとしてしまうと非常に疲れますし、つまらなくなります。そして何より記憶の濃度が落ちます。100の中100全てを濃度が濃く記憶できれば、それに越したことはないですが、私は、そんなに高い能力は持っていません。なので、濃度が薄い記憶を多く得るのではなく、濃度の濃い記憶を1つ得ようと考えながらいつも建築巡りをしています。

読書でも全ページを吸収するのではなく、1小節だけ濃い記憶で残ってくれれば、その読書の価値はあったと思えますし、映画鑑賞でも全ストーリーを吸収するのではなく、1セリフだけ濃い記憶で残ってくれれば、価値はあったと思えます。

いずれ薄れて消えてしまう程度の薄い記憶を多く持つよりも、いつまでも印象に残り続ける濃い記憶を厳選して持っている方が遥かに自分の力になってくれるはずです。

そのような濃い記憶の蓄積を繰り返し、住宅設計にフィードバックしていきたいものです。

ちなみに今回の建築巡りで得た濃い記憶はこちらです。
電気配線の露出もこの様な方法を取れば魅せながら見せれるな。ということでした。

こんなことばかり考えているわけではありませんし、息子たちも意外と楽しめていたのでご安心下さい。