ロジック過ぎないロジック

先日、友人とバーベキューをしました。その際、話の流れからとある友人が「ロジック(理屈)で説明できないものには納得ができない。それは〝なあなあ〟と言うんだ。だから嫌いなんだ」と発言していました。バーベキュー中にそのような発言が出るのも可笑しな話なのですが…。

ロジックは大切なことだと私も思いますが、同時に疑問も抱きました。私は建築の人間なので建築的目線の話にはなりますが、住宅設計をする上でロジックは絶対不可欠です。法規的な制限や絶対的に逆らえない自然の摂理、実際に生活する上での必要になる距離や寸法、コストバランス等、挙げたら切りがないですが、ロジックでしか解決できない部分が建築には多くあります。しかし、ロジックだけで固められた空間に私は面白みをあまり感じません。

例えば、旅行に行き、予約していた旅館の一室に通された時、気持ちの良い空間だなと思ったとします。空間構成なのか景色なのか、はたまた匂いなのか。その理由はわかりません。〝何か〟気持ち良い。その〝何か〟を論理立てることや科学的な根拠を出して説明をすることが出来るかもしれません。しかし、説明するべきでしょうか?説明されたいでしょうか?。大半の人の答えはNOだと思います。それはロジックで説明が出来ない感覚的な部分であり、非常に曖昧なモノです。彼の言葉を借りると〝なあなあ〟なモノです。しかし、その〝感覚的で・曖昧で・なあなあ〟な部分が建築に豊かさを与えているのだと私は思います。

そもそも人間は非常に曖昧な感情を抱えていると生き物だと思います。少し前のドラマ「若者たち2014」で妻夫木聡演じる佐藤旭が「理屈じゃねーんだよ!」と連呼していたのを思い出しますが、理屈だけで私達は動いてないと思うのです。頭では解っていてもついついやってしまうこと。私もあります。皆さんも身に覚えがあるのではないのでしょうか。そう言った複雑で繊細な感情を唯一与えられた人間が住まう場所が住宅なわけです。ロジックで説明することも勿論大事ですが、その感覚を刺激するような設計をするべきではないでしょうか。

〝ロジック過ぎないロジック〟それが私のロジックです。

ロジック、ロジックうるさくてすいません。