HOUSE-Yの床材塗装見本が届きました。
今回、1階床は予算の関係もあり、シナ合板に塗装をしたものを採用することになりました。
中程度のフローリングの半額以下で施工が可能です。
シナ合板を床に使用?っと疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。シナ合板は壁・天井・建具等に使用しても、通常、床には使用しません。正確に言うと床に使用する為に作られた材料ではありません。しかし、塗装や施工方法等を工夫すれば床材として充分に機能してくれます。
採用の塗装剤は「オスモカラー」です。塗料には大きく分けると〝塗膜系〟と〝浸透系〟の2種類があります。〝塗膜系〟は木材の表面を覆う形で膜を作ってしまう塗料です。耐久性等には優れますが、木目を潰してしまうので質感は落ちてしまいます。〝浸透系〟は木材の内部に染み込む形の塗料です。塗膜系に比べ、耐久性は落ちますが、木目を際立たせ、仕上がりの質感が良い塗料です。
「オスモカラー」は〝浸透系〟の塗料に該当しますが、耐久性・耐水性に優れ、勿論、木目の質感も残ります。かつ、自然塗料なので体に優しい。言ってみれば良い所取りの塗料なわけです。なぜそのようなことが可能なのかを説明するとあまりにも長くなってしまうので中略します。詳しくは「オスモカラー」のWebで。http://www.osmo-edel.jp/lineup/osmocolor/
シナ合板は安定した木目がありますが、決して強い木目ではなく、色味もあまりありません。そのまま使用すると少し物寂しいイメージになってしまいます。しかし「オスモカラー」を塗装することで木目と色味が格段に良くなり、味が出ます。全部で8色サンプルを取りましたがクライアントとの検討の結果「ウッドワックスオーク」に床色は決定しました。
私は建築とファッションは似ていると思っているのですが、ファッションに例えると「ユニクロをユニクロに見せない技術」だと置き換えられるのではないのでしょうか。安価なユニクロですが、着こなし方によっては安い服だと思えないことが大いにあります。
安い材料を使えば当然コストは落ちますが、そのまま使用して安っぽい仕上がりになっては私達が居る意味がありません。「ユニクロをユニクロに見せない技術」=「安いものを安くみせない技術」が住宅にも必要なのです。